保険会社・代理店様へ

2018年4月の医療報酬改定により性同一性障害の性別適合手術に公的医療保険が適用されることになりました。
厚生労働省は、ホルモン療法を実施している人は原則、公的保険の適用外としているものの、着実に日本の医療制度も性に対するグローバルな考えに歩み寄っていると言えるでしょう。

また、「同性パートナーシップ証明書」によりパートナーへの死亡保険金の受け取りを可能にするなど、自社サービスへ適応させている保険会社も増えてまいりました。

しかし、ホルモン投与の事実や性同一性障害を告知をした場合に、前例が無いためとの理由から保険加入が出来ない事例も報告されています。
今後、より多くバックデータを活用し、公正な加入与信が望まれます。

性同一性障害者の保険問題について

戸籍制度が存在する国は世界的に3ヶ国のみ。日本もその一つです。
この戸籍上の性別表記が社会生活に深く関わりをもっている日本において、各種契約上の局面において弊害が生じることがあります。
保険契約もその一つと言えるでしょう。

2003年7月に成立した「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」により、
戸籍上の性と、社会生活上の性の不一致については、法律で戸籍上の性別表記を変更できるとしたことで一旦の解決を見ることが出来ました。

しかし、戸籍の性別表記を変更するためには、一定の条件を満たし、更に性別適合手術(SRS)が必要となります。
性別適合手術を行うためには、精神科医による性同一性障害の診断書が必要となります。

これにより、性同一性障害が精神疾患であるとの認識が、当事者の保険加入の弊害となっていることが用意に予想できます。
しかし、2018年6月からは、WHO国際疾病分類から、性同一性障害は精神疾患カテゴリから除外されています。


自社のサービスにおける評価基準を、WHOに基準を合わせても、合わせなくても、
約款に明確な定義が必要になるのではないかと考えます。

万が一の保険金の支払いのタイミングで、告知義務違反であるとして保険金が支払われないということが無いように、
具体的な施策を考えていく必要があるでしょう。


将来のリスクに備えるべく保険へ加入しようとする当事者に対して、 当事者のリスクを公正に評価できることを期待しています。


当協会では、医療制度や保険ルール、当事者の実態について共有し、このテーマについての「ワークショップ」を定期的に開催いたします。
有識者や保険関係者の方々、問題意識をお持ちの方々のご参加をご期待申し上げます


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